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レヴューを書いてみた

新装版 戦中派不戦日記 (講談社文庫)

買ったきっかけ:
友人からのすすめです。

感想:
風太郎の当時の日本という国に対する見方
そして、彼の戦争に対する考え方が非常に複雑であったのが心に響いてきます。

おすすめポイント:
日本の当時の息遣いを感じることができます。読み終えてから「戦争反対!」と簡単には叫べなくなるでしょう。

新装版 戦中派不戦日記 (講談社文庫)

著者:山田 風太郎

新装版 戦中派不戦日記 (講談社文庫)

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遠回りしないで

戦中派不戦日記を読んで感じたこと。

1。平和な世の中にいて、戦争中の思想をはねのけて

  戦争を声高に反対と主張できるか→無理だと感じる。

                      

今でこそ原爆を投下された国家として日本は存在して

いるけれど、当時のメディアの力や世相によって

知識人も文化人もみんなゆらいでいたんだと感じる。

著者の山田風太郎も、東京大空襲を目の当たりにして

こうまでされても、「戦い、殺すしかない」と怒りに駆り立て

られる。

怒りが怒りを呼び出しこうして戦争の大義はなんだったのか

わからないものとなっていく。

                    

2。彼は戦争に行かずに済んだこのようにも感じていた。

「自分も戦争で皆がアメリカを滅ぼすことを考えているが、

一方でそれは演技をしている部分がある」と。

「それでもいっそ、演技であろうが玉砕すべきである」と。

                 

それだけ当時の世相が殺伐としたものであることが

わかるんだよなぁ。

だから、ミュージシャンなり巨大な影響力を持った人間が

平和に向けた歌なり思想を作れば

それを神のように崇めて、他者を排斥するように至れば

結局同じ事になるし。

理想なんてものは何の役にも立たない気がしてくる。

                  

一人一人が戦争の起こる原因をもう一回検討して

いかない限り、ありとあらゆる戦争を止められない

と感じる。

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